
韓国俳優チソンが、2025年10月12日に品川きゅりあん 大ホール、13日に大阪・松下IMPホールで「2025 JISUNG FANMEETING IN JAPAN : Just Say」を開催した。東京・大阪とも全公演がソールドアウトした本イベント。「Hwaiting!/ファイティン!」では12日の模様をレポートする。
日本での公式ファンミーティングはおよそ1年ぶり。長年のファンから新たに彼の魅力を知った人まで、会場には幅広い世代の観客が集まり、チソンの登場とともに会場全体が温かな歓声に包まれた。
ステージに現れたチソンは、深々と頭を下げながらゆっくりとマイクを握る。「皆さん、会いたかったです。本当に久しぶりですね」 その一言に、客席からは「チソンシー!」という呼び声と拍手が湧き起こった。彼はその声に優しく微笑み返し、「今日は“Just Say”というタイトルのように、みなさんが感じていることを素直に表して、僕も心を込めて“言葉”を交わしたいと思います」と語り、2時間にわたる温かなステージが幕を開けた。
家族と過ごした一年、そして新作ドラマ撮影の日々
MCを務めたのは、これまでもチソン来日時や多くのイベントでMCを担当してきた藤原倫己氏。親しみある掛け合いに、会場にはすぐに笑いが起きつつ、最初のコーナーである近況トーク「Say Box」がスタートした。
藤原MCから「この1年、どんな時間を過ごしていましたか?」と問われると、「 家族と一緒に幸せな時間を過ごしていました。子育てをしながら、僕自身にとって 本当に有益な時間なんだと感じながら過ごしていました。」
さらに、現在撮影中の新ドラマ『判事イ·ハンヨン』にも言及。「皆さんもご存知だと思うのですが、新ドラマの撮影が5月から始まって、今まさに終盤に差しかかっています。」チソンが語る口調には、家族への愛情と俳優としての使命感の両方が滲む。家庭と仕事、どちらも誠実に向き合う姿勢が彼の人柄そのものを映している。
ファンからの質問に即興で答える
コーナーの中盤からはファンから寄せられた質問にチソンが即興で答えていく。
「道でチソンさんを見かけたら、手を振ってもいいですか?」という質問に対しては、即座に「もちろんです! できれば声をかけてください。僕も挨拶します」と答え、「もしできるならハグもしたいです」と笑って付け加えると、客席から大きな拍手と歓声が起こった。彼の言葉には、スターとしての距離を超えた“人としての優しさ”が感じられる。
続いて、「ファンに呼ばれたい呼び方は?」という質問に対しては、観客と一緒に「チソンシー!」と声を合わせて叫び、会場が笑いに包まれた。
家族への思いが滲むエピソードに会場がほっこり
「スマートフォンの待ち受け画面は何ですか?」という質問では、チソンが照れくさそうに笑いながら「以前は子どもの写真にしていたんですが、子どもたちが『自分の写真がいい!』ってけんかしてしまって(笑)。だから今は妻との写真です」と答えると、客席から大きな笑いと拍手が起きた。
また、「家事が面倒なときはどうしていますか?」という質問には、「自分が動かないと家族が大変になる。だから、自分が掃除して洗濯して…子どもたちがその服を着ると思うと、頑張れます」と回答。その自然な言葉に、観客の多くが感嘆の声を漏らした。スターでありながら、日常を大切にし、家族と過ごす時間に喜びを見出すチソンの姿に、多くのファンが共感の笑みを浮かべた。
新ドラマ『判事イ·ハンヨン』、再び“正義”を問う物語
トーク後半では、来年韓国で放送予定の新ドラマ『判事イ·ハンヨン』の紹介へ。
「この世の中には、悪い人がたくさんいます。僕が演じる主人公も、不正に関わってしまう人物です。でもある出来事で命を落とし、10年前に戻るんです。もう一度人生をやり直し、正義を取り戻そうとする物語です。」
「10年前の自分に言葉をかけるなら?」という問いには、少し考えた後、 「“君は今、よく頑張っているよ”と言いたいです。“人生をしっかり歩んでいるから”と勇気を与えたいですね。」
俳優としての信念と人間としての誠実さに、観客の多くが頷きながら聞き入っていた。
名作の数々を振り返る──すべての作品に誠実に向き合う姿
続いて行われたのは、過去出演作の中から名シーンを振り返る時間「チソンワールドカップ」。過去作から厳選した4つの名シーン映像を観ながら、チソン自身が撮影当時の裏話や心境を語るコーナーだ。
ドラマ『キルミー・ヒールミー』の名場面。スクリーンに“お前は俺だ”という台詞が響く…。その瞬間、チソンはスクリーンを見つめたまま少し言葉を詰まらせ、「このシーンは、現場の全員が泣いていました」と語り始める。
「このシーンを見たら、撮影していた当時のことが思い浮かびますし、またこの台詞の中に込められている意味を知っていますので、何か本当に今も涙がこぼれそうです。 」と吐露。続けて「“お前は俺だ”という一言には、人生のすべてが込められていました。演じながら、僕自身も心が癒される感覚がありました。」と感慨深げに振り返った。
名シーンの数々に引き込まれていた客席に向かって、ここで藤原MCから驚きの一言。会場のファンの中から一人をステージに招いて名シーンの名台詞をチソンと再現するというのだ。
ファンにとってはまさに夢のような企画。抽選で選ばれたファンの熱演には、会場から羨望の眼差しとともに温かい声援が贈られた。
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また皆さんに会いたい」──変わらぬ想いで締めくくり
続いてのコーナーは、「チソンラジオコーナー-Say your story」。チソンがまさにラジオDJとなって、ファンからのお便りを紹介するという企画だ。
ひとつひとつの手紙に耳を傾けチソンがコメントする。時に自身の体験を交えて共感や励ましの言葉を語るチソン。ここにも彼の誠実な人柄が現れる。
イベント終盤のゲームコーナー「知ってるゲーム」では、エアガンを使って会場のファンに向けてランダムにプレゼントを発射するサプライズ演出も…。子供のように楽しそうにエアガンを操作する笑顔も印象的だった。
なお、卓越した歌唱力でも知られるチソン。今回のイベントでも『スミレ』(キルミーヒールミーOST)、『TSUNAMI』(サザンオールスターズ)、『彼女の笑い声だけ』(イ・ムンセ)、『鳥のように』(ピョン・ジンヒョプ)の4曲を披露。
最後の曲の前に、チソンはゆっくりと客席を見渡しながら語りかけた。
「今日もみなさんに会えて幸せでした 。いつもそうなんですけれど、 いつも幸せです。みなさんがいらっしゃるから 、そしてみなさんのことを思いながら作品を最後まで作り上げようと思って何ヶ月間か頑張りました。今回の新しい作品も、みなさんに新しい楽しみを与えることができることを願っています。」
会場は拍手に包まれ、観客の中には涙を拭う姿も見られた。「みなさんもいつも幸せでいて、元気で。また僕たちが再会するその日まで 。わかりましたよね。」と語りかけ、最後の歌唱が始まる。
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べてのプログラムを終えると、ファンから「チソンシー、愛してる!」という声が響き渡り、チソンは笑顔で「僕も皆さんを愛しています」と応える。ステージを去る瞬間まで、彼は客席に手を振り続け、深く一礼して退場。 会場の照明が戻るころには、観客の誰もが“心が温まる”感覚を胸にしていた。
20年以上にわたり第一線で活躍しながら、今なお誠実さと人間味を失わない俳優チソン。 家族、ファン、そして作品への愛情をまっすぐに語るその姿は、華やかなスターというより「人として信頼される俳優」そのものだった。 「Just Say」──その言葉の通り、素直に伝え合う時間を共有した今回のファンミーティングは、彼とファンの心を確かに結びつける一日となった。
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2025/10/28 06:16 配信
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