K-POP界を率いる“王たちの帰還”…

未練を残さず、最上階からしばらくいなくなった。最年長のJINをはじまりに、最年少のJUNG KOOKまで、長くて短い軍服務の開始だった。遠く感じられた2025年6月、ついにその日が来た。K-POPを代表するグループであり、グローバルな“スーパースター”「BTS(防弾少年団)」。いよいよ「BTS」の第2幕である。

 12日(本日)、歌謡界によると、今月10~11日の2日間、「BTS」の4人のメンバーRM、V、JIMIN、JUNG KOOKがそろって除隊し、ARMY(BTSファンの名)たちの元へ帰ってきた。JINが昨年除隊してから、約2年7カ月ぶりにメンバー全員が“民間人”になったのである。J-HOPEは昨年転役し、社会服務要員として代替服務中のSUGAは、今月21日に召集解除を控えている。

 K-POP界の大物グループの“帰還”に、歌謡界はすでに揺れている。「BTS」の“空白”期間、K-POP業界は多くの変化があったが、彼らに替わる人々がいなかったためだ。第5世代と称するグループが次々と登場したが、第3世代である「BTS」や韓国ガールズグループ「BLACKPINK」、第4世代である韓国ガールズグループ「aespa」「NewJeans」「IVE」「LE SSERAFIM」のようなエナジーを噴き出すことはできずにいる。

 韓国音楽コンテンツ協会が運営するサークルチャートによると、昨年のK-POPアルバム販売量は前年より17.7%、音源利用量は7.6%それぞれ減少した。2023年基準のアルバム販売量は1億枚時代を迎えたが、1年ぶりとなる2024年には前年比より19.4%減少した9328万枚を記録し、下り坂をたどっている。

 ポピュラー音楽家のイム・ヒユン氏は、「『BTS』はK-POPのフラッグシップアーティストと言えるほど象徴的なので、除隊するだけでK-POPに関する関心を再転換する効果があるだろう」とし、「『BTS』がどのような形態でも音楽活動を始めれば、K-POP市場全体のパイを育て、産業を拡張する動力であり牽引する役割をするはず」と見ている。

〈千軍万馬を得たHYBE…「BTS」は途方もないプラス、ARMYは巨大な盾〉

「We are back」

 おおよそ1580万回。「BTS」4人のメンバーRM、V、JIMIN、JUNG KOOKが、除隊後におこなった生配信が記録したリアルタイム総再生数だ。その上、JIMINとJUNG KOOKが1時間10分おこなった配信では、1億5700万個のハートが降り注いだ。

 除隊現場は、言葉通りお祭りだった。全世界の“コムシン”(軍隊に恋人を送った人を意味する俗語)が駆けつけ、自国の国旗を掲げた。米ニューヨークタイムズは「ファンたちの長かった待ち時間が終わった」とし、「『BTS』の除隊に対するファンたちの熱狂は、エルビス・プレスリーが1960年にドイツで軍服務を終えて帰国した時と似ている」と批評した。

 「BTS」の除隊と共に、HYBEも“千軍万馬”を得た。「BTS」の不在期間、親企業をめぐる悪材料が絶えず、大変だった。現在も、元ADOR代表のミン・ヒジンと所属ガールズグループ「NewJeans」との対立は変わらずで、HYBEのパン・シヒョク取締役会議長は、株式上場に関する不正取引の疑いを持たれている。

 このような状況で、HYBEの象徴でありK-POPグループ史上、前例がない影響力を持ったアーティストの帰還は、音楽活動においても肯定的な影響力なおよぼすだろう。特に、全世界で“最も強力な軍隊”と呼ばれるARMYの存在は、この上なく心強い役割をする。

 イム・ヒユン氏は、「HYBEの立場でも、『BTS』は売り上げはもちろん、イメージ向上にあって途方もないプラスになるアーティスト」とし、「ARMYという存在は、そのどのような砲火も防ぐことができる盾であり、防御膜であるほど、『BTS』の復帰がいろいろな面で良い機会になるだろう」と見ている。

〈カムバック時期はいつ? ことしの下半期、あるいは来年上半期予測〉

 カギは“カムバック時期”だ。メンバーたちは今月にみんな除隊するが、完全体のカムバックが今すぐおこなわれるのは、現実的に不可能である。「BTS」のメンバーたちは、アルバム作業の完成度のために相当な時間をかけることでも有名だからだ。「BTS」が完全体で出した最後のアルバムは、入隊前の2022年6月にリリースしたアンソロジーアルバム「Proof」だ。

 HYBEのCEO(最高経営者)イ・ジェサンは、ことし3月の定期株主総会で「『BTS』のメンバーたちは、軍服務を終えて復帰後、活動のための準備と作業の時間が必要である」とし、「事務所もトップティア(最上級)の作曲家と準備しているが、アーティスト(「BTS」メンバーたち)の熟考と準備が必要である」と語った。

 業界では、完全体の新譜はことしの下半期、さらに遅くなる場合、来年の上半期になる可能性あると予想する。まだメンバーのJ-HOPEの韓国国内公演のスケジュールが残っており、JINは来月にコヤン(高揚)を皮切りに、8月まで全世界でファンコンサートを続けていくため、すぐの復帰は容易でない。業界では、昨年電動キックボード“飲酒運転”で物議を醸した“SUGAリスク”に対する観望も必要だろう。ただし、その前に“シングル”形態の作品が出る可能性は高い。

 先立って、「BTS」メンバーたちは完全体でトップに登りつめただけの活躍を、ソロ活動を通じて見せた。JINの入隊後、グループの活動はなかったが、順次入隊に先立って発売したソロアルバムで、7人のスーパースターの底力が立証されたのだ。

 JIMINのソロ2ndタイトル曲「Who」は、軍服務中に発売し、ビルボード「HOT100」に33週間ランクインして、K-PO最長期記録を打ち立て、「Like Crazy」は、このチャートで1位になった。JUNG KOOKも「Seven」で同チャート1位になり、“ポップスター”の存在感を見せた。RMの「LOST!」のミュージックビデオは、「シャークミュージックビデオアワーズ」、「シスロペフェスティバル」など、多数の国際授賞式で賞を受賞し、アーティストとしての芸術性を固めていっている。

〈「今度はグラミー」…ツートラック戦略で最後の夢をかなえる〉

 完全体が見せる音楽については、“ツートラック”戦略でくるはずだという観測が多い。シングル作業では大衆性を強化して商業的成果を出し、フルアルバム作業では「BTS」のかなえきれていない夢に向けるのである。

 特に、彼らの“最後の宿題”がグラミーであるほど、カムバック最初のアルバムは本格的な“グラミー狙い”音楽になる可能性が高い。それまで、「BTS」は韓国歌手としては唯一のビルボードメインシングルチャート「HOT100」1位、グラミー賞にノミネートされた唯一の韓国歌手など、大記録を達成してきた。グラミー賞まで受賞することになれば、まさにK-POPシーンの“伝説”になることができる。

 除隊したメンバーたちは、すでに“カムバック”に対する意志を燃やしている。リーダーのRMは、除隊当日「コンサートが一番したい。早くアルバムを作って、またステージに復帰できるようにする」と話した。JIMINも、「僕らが描いていた絵をずっと描いていく」と語った。

 ポピュラー音楽評論家のキム・ドホン氏は、「みんなが待ってきたビッグネームであるため、関心と期待が大きいのは事実」としながらも、「どのような圧迫もなしに、自分たちがしたい音楽を主体的に見せるアルバムに戻るのが、最も『BTS』らしい姿だろう」とした。

 すぐのカムバックは難しくても、業界ではメンバーたちがどのような方法でも、一緒にいる姿を見せて、復帰に始動を出すものと見ている。ソロ活動中のメンバーの公演に参加したり、ファンミーティングの可能性も大きい状況だ。

 すでに復帰と共に、全世界のARMYたちを浮き立たせるオフラインイベントが予告されている。毎年「BTS」のデビュー記念日(6月13日)に開かれる「BTSフェスタ」は、今月13~14日にキョンギ(京畿)高陽にあるKINTEX第2展示場で開催される。メンバーたちの音声メッセージが込められた“ボイスゾーン”、「BTS」の受賞トロフィーを展示する“トロフィーゾーン”を通じて、グループが歩いてきた道を一緒に祝う。同日、高陽総合運動場ではJ-HOPEのソロワールドツアーアンコールコンサートも開かれ、除隊したメンバーたちが参加する可能性もある。

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2025/06/13 20:55 配信
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