
歌手・俳優として活躍するソ・イングクが、11月7日東京・有明ガーデンシアターにて、「Seo In Guk 2025 Japan Concert SIGNAL」を開催した。約2年ぶりとなる日本でのコンサートツアーは、11月2日・3日に大阪、7日に東京で行われ、この日はツアーのファイナル公演。
会場には多くのファンが駆けつけ、ロビーにはコンサート開催を祝うスタントバルーンや華やかな花が飾られ、ファンたちは写真を撮りながら開演を心待ちにしていた。開演を待つ熱気に包まれた場内は、温かく期待に満ちた空気で満たされていた。
開演時間ぴったりに場内が暗転すると、自然と沸きあがる歓声と拍手。ビジョンには、コンサートタイトル「SIGNAL」について語るオープニング映像が流れ、緊張感あるビートが会場に響く。「ここに来てくださった皆さんに僕のシグナルを送る」と語られると、拍手で応えるファンたち。モールス信号の音が響き渡り、「これで俺たちはつながったんだ」と日本語で伝えられると映像が終わる。
続いて、清々しく爽やかで、オープニングにふさわしい軽やかなバンドサウンドが会場に広がると、ステージの階段上には眩い真っ白な光が差し込み、ソ・イングクのシルエットが浮かび上がると、会場は大歓声に包まれ、ファンは一気に立ち上がった。「東京の皆さ〜ん! 元気ですか」と元気よく呼びかける声に、バックライトで顔はまだ見えないものの、ファンは大声で応える。そして、一瞬の静寂の後、ソ・イングクの姿がライトに正面から照らされると、会場は揺れるほどの大歓声が響き渡った。
ブラックの衣装に身を包んだソ・イングクは、1曲目にミドルテンポの「Don’t be jealous」を披露。レトロポップな雰囲気に、R&Bのしなやかなサウンドが絡み合い、イングクの甘く伸びやかな歌声が会場を包み込む。心地よいリズムに身を委ねながら歌うイングクに合わせて、ファンもペンライトを揺らして、ひとつになって音楽を楽しんでいた。
続く「Bebe」では、「レッツゴー!」と叫び、「もっと声を聞かせて!」と耳に手を当ててファンをあおる。セクシーでいてこぶしの効いたソウルフルな歌声が響きわたり、会場の熱気は一気に高まる。さらに、「Mint Chocolate」ではファンキーなギターとグルーヴ感あふれるピアノが絡み合うバンドサウンドに、会場全体がグルーヴ感たっぷりの空気に満ちていく。「Chocolete」のフレーズではファンも一緒に歌い、盛り上がる歓声と心地よい演奏に酔いしれながら、イングクはバンドメンバーと視線を交わし、音楽の楽しさを全身で表現していた。
「こんにちは。ソ・イングクです。お元気ですか?」と投げかけると、客席からは「元気!」と弾むような声が返ってくる。楽しい雰囲気に包まれるなか、「空のかおり」のステージへ。雲と空、星空と移り変わる幻想的な映像を背に、伸びやかな歌声を響かせると、ファンはペンライトを左右に揺らし、その歌声に聞き入っていた。続いて、力強いドラムとギターがリズミカルに鳴り響くと、「皆さん、一緒に歌いましょう!」と呼びかけ「Galaxy」を披露。ファンも一緒に「Wow Wow ohoh」と声を重ねると、イングクはマイクを客席に向けてもっと声を聞かせてと求める。声を出してコンサートを楽しんでくれているファンの姿を見て、イングクも軽くジャンプをしながら楽しそうにパフォーマンス。曲が終わっても、客席からは「イングク!」、「サランへ(愛してる)」と温かい声がステージに向けられ、その熱い想いに応えるように、イングクも「私も(愛してる)!」と返し、会場中を幸せな空気で満たした。
熱いステージで会場を沸かせたあと、雰囲気は一転してしっとりと落ち着いた空気に包まれた。ファンに「座ってください」と優しく促すと、イングクは穏やかな表情で語り始める。彼は「SIGNALの東京コンサートが最終日となります。なので、スタートから僕が持っているすべてのエネルギーを注いでいます。皆さんの情熱と、ステージに上がった時の歓声を聞いたら鳥肌が立ってしまいました。本当にありがとうございました」と感謝を伝えた。そして「SIGNAL」について、彼は「簡単に言いますと、皆さんとお互いに交わす心の信号であると言う思いで作りました。今この瞬間にも見えない信号を通して通じ合っているのではないかと思います。なので、コンサートは皆さんとシグナルを分かち合いながら皆さんとすてきなステージを作っていきたいと思います」と語り、「先ほどお届けした曲で心が通じ合いましたよね。僕もそう思います」と、親指を立てて喜ぶイングク。
また、コンサートを開催することを決めたことについて、彼は「コンサートの準備をしながらとても楽しかったです。前の『SIGnature』のアルバムの時からコンサートを念頭に入れていました。バンドの皆さんと音楽を合わせていくと、それが明確になっていくというのでしょうか。大阪や東京の公演をしながら、音楽的な計画が達成されたような気分というものがありますよね。なので、きょうはうれしくて満足しています」と心境を明かした。
現在、最新ドラマ「明日も出勤」の撮影をしているという彼は、「忙しいなかでもコンサートを一緒に作り上げてくれたすべてのスタッフの皆さん、バンドの皆さんに感謝を伝えたいと思います」と感謝を伝えた。
ここからは、ドラマのOST(オリジナル・サウンドトラック)のメドレーを披露することに。彼は「今から僕が参加したOSTを少しずつ皆さんにお届けしたいと思います。歌うのが久しぶりという曲もあります。きょう初めて来た方、すでに知っているという皆さんが全員楽しめるようにベストを尽くしたいと思います」と伝えると、最初に披露したのはドラマ「ラブレイン」OSTの「運命」。椅子に腰を下ろし、静かに目を閉じると、彼の深く澄んだ声が会場いっぱいに響き渡った。歌い終えた彼は「久しぶりに歌いました。デビューして初めての自作曲でした。俳優として初めて出演した作品だったので、本当に緊張していた記憶しかありません。でも、監督や共演者、スタッフの皆さんがかわいがってくれたので本当に気分よく撮影できました」と振り返った。
続いて、柔らかなピアノのメロディが会場に広がると、ドラマ「ナイショの恋していいですか!?」OSTの「Finding myself」を披露。彼は「このドラマ、見た方いますか?」と問いかけると、会場中のファンが一斉に手を挙げ、イングクは驚いたように笑顔で「全員が見ているんですね。すごく気分がいいです」とうれしそうに声を弾ませた。“ギプスキス”や“鉄棒キスシーン”といった名シーンで話題を呼んだこの作品は、ファンにとっても思い入れの深いドラマだ。
続いて、ドラマ「明日、キミと」OSTの「花」を披露。繊細なピアノの旋律に乗せ、胸に手を当てながら一語一語を大切に紡ぐ。情緒的なメロディが心の奥に静かに染み渡るバラード曲だが、実はこの曲を羊の肉を食べた時に作ろうと思ったという裏話を明かし、ファンを笑わせることもあった。
アコースティックギターの温かい音色が響くと、ドラマ「空から降る一億の星」OSTの「Star」へ。彼が客席にマイクを向けると、韓国語の歌詞にもかかわらずファンの優しいハーモニーに包まれた。イングクはその歌声にグーサインを見せ、「鳥肌が立ちました」と喜んでいた。
OSTの最後は、ドラマ「応答せよ 1997」OSTの「All For You」。チョン・ウンジが歌う部分では、ファンが自然と引き継ぎ、イングクとファンの心が一つになった。
コンサートの中盤、赤いジャケットに身を包んだイングクが再びステージに登場すると、会場のボルテージが一気に上昇。熱気に帯びた感性が会場を包み込むと「Broken」のステージがスタート。エモーショナルなギターサウンドが鳴り響く中、別れの痛みを胸の奥から絞り出すように、切なくも情熱的な歌声でファンの心を揺さぶる。続く「運命の糸」では、「君のいない世界では 僕の居場所はどこにもない どこにいても僕らは糸でつながってるよ」と、ファンとのつながりを感じさせる歌詞が、まるでファンへのメッセージのように響き、ファンの胸に深く刻まれた。
やがて彼は、グルーヴ感たっぷりのサウンドに合わせて赤いジャケットを脱ぎ捨てる。すると、乾いた質感のタイトなリズムが響く中、階段に腰を下ろし、マッチをくわえてクールに笑うと、会場は一瞬で悲鳴にも似た歓声に包まれた。そして、階段に体を傾けるように横たわり、「Out of time」を披露。渋くてセクシーな大人の色気を全身で放ちながら、ステージを圧倒的な存在感で支配した。
ブリッジ映像では、すべてのシグナルが途絶えた家の中で、アナログな環境で過ごすイングクの姿が映し出された。そこで明かされたのは、「SIGNAL」のタイトルに込められた意味。“SIG”は“ソ・イングク”のイニシャルで“NAL”は韓国語で“日”。つまり「SIGNALはソ・イングクの日」ということに気付くという物語だ。そして、ネットも使えない環境で何もすることがなくなったイングクは「とりあえず、昼寝でもしよう。寝て起きたら、僕たちまた会えるしね」とつぶやく。その言葉と共に映像がフェードアウトすると、真っ白な衣装をまとったイングクがステージに再登場し、「昼寝」を披露した。浮遊感のあるサウンドに身を任せ、ゆったりと横揺れしながら歌うイングク。続く「Stupid」でもミディアムテンポのリズムに、彼の甘くしなやかな歌声が溶け合い、ファンの心を静かにとろけさせた。
繊細で滑らかな歌声はさらに深みを増し、「Dawn」ではフィンガースナップのリズムに合わせて軽やかに指を鳴らすしぐさをしながら音に身を委ねる。「Youth」では柔らかなギターの響きと共に、どこかはかなく夢のような空気を漂わせた。「Everlasting Love」では美しいピアノのメロディに乗せて、切なさと温もりをたたえた声で伸びやかに歌い上げた。雪が舞う幻想的なステージに変わると、「君という季節(Japanese ver.)」を披露。「春夏秋冬 季節めぐっても まだ信じてるよ 君の帰りを 変わらない思いだよ」と、恋人への懐かしさと別れの後に残る温かな余韻を描くその歌声に、ファンは息をのんだまま聴き入り、最後の一音が消えた瞬間、大きな拍手がステージを包み込んだ。
イングクは「雪の降る演出をしてみました。ステージで雪が降るから、感情が込み上げてきて、『Everlasting Love』から感情が込み上げてきました」と語った。さらに、初雪に関するエピソードも明かした。イングクの故郷・ウルサンでは雪がほとんど降らない地域のため、雪が降る日はクリスマスになるそうだ。そのため、雪に関する防寒対策がなかったことから、雪が降った日にうれしくて友達と遊びに出かけることにし、ダウンジャケットも着ずに普通の服装で傘も持たずに遊びに行ったという。そして彼は「全身びしょ濡れになって大変な思いをしたので、雪はあまり好きじゃないです。雪はきれいなゴミだと考えています」と、会場の笑いを誘った。
そして、彼は「雪は家で一杯飲みながら見るのが一番です。こたつの中に入って、みかんを食べながら外を眺め…」と話すと、続けて「今の東京の気候は最高だと思います。今、韓国は寒いだろうけど、僕はここにいて良かったと思います、寒いのが嫌いなんです」と話すと、ファンからは「(韓国に)行かないで!」という声が飛び交った。
コンサートが終盤に差し掛かると、イングクは「皆さん!」と力強く呼びかけ、勢いよく「Right now」を披露。頭を振ったりジャンプをしたりしながら、熱気あふれるステージを作り上げた「愛の言葉」。続く「トナリアワセ」では、優しく寄り添うような歌声でファンの心を包み込み、会場を優しい空気に変える。そして、そのまま「サザンオールスターズ」の「TSUNAMI」へ。情感豊かな歌声が波のように押し寄せると、ファンからは「最高!」と声があがり、感動の声が会場を満たした。
彼は「(TSUNAMIは)本当に大好きな曲なんです。ご存じだと思いますが、いくつかの曲の中で悩みました。韓国でリメイクされた日本の曲はたくさんあるんです。中でも、『I love you』が大好きで、歌おうか考えてみたんですけど、韓国版は音節が短いんです。日本の原曲の音節はもっとたくさんあるじゃないですか。なので、この曲は次回チャレンジしてみたいと思います。それから、平井堅さんの曲(「瞳をとじて」)も歌ってみたいと思います」とファンの期待と興奮をさらに高め、次回コンサートへの期待感を残しながら、熱量あふれるステージはクライマックスへと突入していた。
時間が過ぎるのはあっという間。「次の曲が最後」と告げると、会場からは惜しむような「えー!」という声が湧き上がった。「本当に本当に最後の曲なんです」と、言いつつも「無理やりでも作るべき? でもとりあえず皆さんのリアクションを見て、僕が気に入らなかったらここで終わります。でもすごく情熱的だったら…」と、期待をあおるイングク。ファンの心を一瞬で釘付けにすると、最後の曲「君という花」のステージへ。温かみのあるサウンドに包まれ、優しく歌うイングクの声に会場は酔いしれる。曲の途中では、ファンによるスローガンサプライズもあり、イングクは「最高!」と親指を立てて応える。「ありがとうございます!」と伝えながら走ってステージを去ると、「ソ・イングク」コールが大きく響き渡った。
その後、ビジョンにはコミカルな映像が流れる。イングクが病院で「単語アレルギー」だと診断され、アレルギー反応を示す言葉は、「エギヤ(My baby)」。その言葉を聞くと、くしゃみが止まらなくなるという。しかし、医者からは“毒を持って毒を制す”という方法で、多くの人たちから“エギヤ”という言葉を浴びれば治ると言われる。そして、カメラ目線のイングクの映像に「皆さん、何をすればわかりますよね」という文字が映ると、 “3、2、1”とカウントと共に「エギヤ!」と声が飛び交う。その瞬間、イングクはアレルギーを克服し、アンコールとしてステージに再登場した。
透明のリュックを背負って、ちょっと照れくさそうに披露した「My baby U(エギヤ)」では、かわいらしいダンスで愛嬌(あいきょう)を振りまき、ファンの「エギヤ!」と叫ぶ声を全身で受け止めて満面の笑み。最後には投げキッスをするように指ハートを作って見せ、ファンにとびっきりの愛を届けた。
歌い終えたイングクは、「楽しいですか? 私も楽しいです。本当にありがとうございます。大阪から始まり、きょうは東京で最後の公演です。コンサートをすることができたのは、皆さんが僕のことを愛してくださったからだと思います。“SIGNAL”の最高のチームに出会えましたし、最高のバンドの皆さんに出会えましたし、最高のスタッフに出会えましたし、そしてきょう東京の最高の観客の皆さんにもお会いしました」と感謝の想いを熱く伝える。そして、「最後の曲を歌います」と告げると、ファンからは「えー!」と惜しむ声が会場に響く中、「もうないよ」と笑いながら「Couple」を披露。イングクは客席に降りて、リュックからプレゼント投げながらファンと直接ふれあい、ファンとの温かいひとときを楽しむ。
ステージに戻ると、「本当にありがとうございます」と日本語で伝え、深々とお辞儀をすると、ステージ中央の階段を上り、「皆さん、ありがとうございます」と手を振ってステージを去っていった。しかし、ファンの「イングクとまだ一緒にいたい」という気持ちが一つになり、「ソ・イングク」コールは鳴り止まず、しばらくコールが続くと、一度ステージを離れたバンドメンバーが戻理、ピアノにスポットライトが当たる。そして、切ないメロディが会場に響き渡ると、ゆっくりとイングクが姿を現し、米津玄師の「Lemon」を披露。ダブルアンコールで戻ってきてくれたイングクに、大歓声と拍手が送られると、彼は「皆さんのためにまた登場しました。準備できましたか? 準備できましたか? 最後まで盛り上がっていくぞ!」と呼びかけ、「愛の言葉」、「Bebe」、「Mint Chocolate」と続けてパフォーマンス。最後はファンとソ・イングクが一つになる「All for you」を披露。最初のパートはファンが自信たっぷりに歌いあげると、その歌声に「すごいですね」と喜ぶイングク。この曲でもイングクが客席に降りて、ファン一人一人と目を合わせながらハイタッチやハートを作ったりしてファンを喜ばせる。そして、会場を包む大合唱は、ファンとイングクの心を結ぶ“シグナル”となり、全員が一体となった瞬間だった。
最後に彼は「きょうは本当にありがとうございました。皆さんが喜んでくれて、情熱的に歌ってくれてたので僕もとても幸せでした。1階をまわりましたが、2階、3階、4階の皆さんも愛しています。本当にありがとうございます。皆さんが楽しんでくださったのであればうれしいです」と感謝をのべ、「また会いましょう!」と再会を約束し、「バイ!」と言って走ってステージを後にした。
コンサートが終わってもファンとソ・イングクのつながりは消えることなく、お互いの心の中で静かに輝き続けた。




2025/11/13 16:02 配信
Copyrights(C)wowkorea.jp hwaiting.me