【合同インタビュー】主演映画『秘顔-ひがん-』日本公開のソン・スンホンが明かす俳優人生30年の素顔

韓国映画初登場1位を記録し、19歳未満鑑賞禁止にもかかわらず観客動員数100万人を突破した“劇薬”サスペンス・スリラー映画『秘顔-ひがん-』が、6月20日(金)より日本で公開される。
愛と欲望、裏切りが交錯する密室心理劇で、オーケストラの指揮者という表の顔の裏に“もうひとつの顔”を隠した男ソンジンを演じたのは、実力派俳優ソン・スンホン。
日本でのファンミーティングのために来日していた彼にインタビューを敢行し、役作りの苦労や、現場での意外な一面、さらには“若さの秘訣”まで、飾らない素顔をたっぷり語ってもらった。

『情愛中毒』では完璧なエリート軍人・キム・ジンピョンを演じ、表向きの成功と内に秘めた情欲のはざまで揺れる男を体現したソン・スンホン。その役と、『秘顔-ひがん-』で演じた、欲望を秘めた指揮者・ソンジンとの違いについて、「両方のキャラクターに何かしらの欲望がある」と語る。
「『情愛中毒』のジンピョンは、階級のトップに昇進したいという野心を持つ兵士で、将軍の娘と結婚してエリート街道を歩んでいました。でも、本当に自分が求めていた恋に出会って、イム・ジヨンさん演じるチョン・ガフンに引かれいくんです。今回の映画でも望んでいない婚約をしますが、婚約者の代理チェリストと恋に落ちてしまいます。『秘顔-ひがん-』のソンジンのほうが、ジンピョンよりも少し欲望にのめり込んでいる人物なんじゃないかと思います。」

いずれの役も、内面に抱えた欲望や人間の本能を描いたものだという。キム・デウ監督の作品には、人間の見えない部分、深層心理に迫るようなテーマが多いとも語った。
「ソンジンというキャラクターには哀れで同情できる部分もあります。映画では編集された場面もあって、彼の背景についてあまり説明されていないんですが、オーケストラの指揮者をしている裕福な家庭で育ったように見えて、実際は両親が食堂で働いていたような環境からスタートしている人なんです。裕福な妻と出会って、そこから指揮者にまで上り詰めた。周囲の目には、成功に目がくらんだ欲深い人に映るかもしれません。実際、婚約もそういった目的がありましたし。ただ、ソンジンなりの自尊心があって、そういった欲を表には出さない。疑い深い一面もあって、すごく現実的な人物のようにも感じます。」

実際に「彼のような人に実生活で会ったら、あまり好きになれないかもしれない(笑)」と冗談まじりに語りながらも、「でも哀れで、どこか同情できる」と語る。ソンジンは婚約者の代理チェリスト・ミジュと出会い、浮気という形で関係を持つが、それには彼自身の過去と、ミジュの抱える深い傷が関係している。
「ミジュもたくさんの心の傷を負った子で、ソンジンも彼女を通して同情し、共感したんです。ミジュも幼い頃に両親を亡くして、困難な状況の中でチェロリストになったという背景を知り、親近感を持ちました。だからこそ、自分の本音を打ち明けられるような相手に出会った感覚だったと思います。火花が散った、という感じです。愛と呼ぶにはちょっと違うかもしれませんが、お互いに傷を抱えていたからこそ、浮気という行動に至ってしまったんだと思います。」

撮影現場では、ソン・スンホンの意外な一面も垣間見られた。共演者の話によると親父ギャグを連発していたといううわさも…。
「親父ギャグを言っていたかどうかは覚えていないんですけど(笑)。僕はMBTI(性格診断テスト)がI(内向型)なので、初対面の人には人見知りして、なかなかすぐに仲良くなれないタイプです。でも、親しい人たちと一緒にいる時は冗談も言いますし、ふざけたりもします。僕のことをよく知らない人には、そういう姿が新鮮に映ったのかもしれません。どんなギャグを言ったのかは覚えていませんが、多分面白くなかったと思います(笑)」。
普段のソン・スンホンはというと、少しぶっきらぼうで無愛想な一面もあるという。「『秋の童話』や『夏の香り』のように、愛らしく女性を見つめるキャラクターとは真逆かもしれませんね」と笑う。

日本には今回、久しぶりにファンに会うために来日した。空港に降り立った瞬間から感動したそうだ。
「空がきれいで、空気もとてもいい。韓国ではPM2.5(微小粒子上物質)がひどい時もあるので、そういう面では日本が本当にうらやましいです。食べ物も全部おいしいですよね。若い頃はあまり野菜を食べなかったんですけど、今では好きになりました。冬は韓国でスキーをしていましたが、日本では北海道のニセコに行ってみたいと思っています。」

俳優デビューから30年。今もなお第一線で活躍するソン・スンホンに、変わらないものはあるのか。
「30周年と聞くと正直怖いですね(笑)。あっという間だったと感じます。96年の10月21日にシットコムでデビューしたのですが、時間があまりにも速く過ぎました。変わらないことといえば…物心がつかないことですかね(笑)。韓国には“物心がつくと早死にする”という言葉があるんです。だから、若さの秘けつは“物心がつかないこと”です。」

年齢を重ねてもなお、どこかあどけなさと誠実さを感じさせるソン・スンホン。その“隠れた顔”が見られる『秘顔-ひがん-』は、6月20日(金)より全国公開中だ。


『秘顔-ひがん-』(英題:Hidden Face)
監督:キム・デウ
出演:ソン・スンホン、チョ・ヨジョン、パク・ジヒョン
2024年/韓国/115分/1:2ユニビジョン/カラー/5.1ch/字幕翻訳:田村麻美/R18+
日本公開:2025年6月20日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
配給:シンカ/ショウゲート
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2025/07/02 17:24 配信
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