俳優イ・チェミン1

tvNの土日ドラマ「暴君のシェフ」が、韓国国内外の視聴者たちの熱い反応を集めている。その中心には、荒々しいが魅力的な“暴君”を完璧に演じて話題の俳優イ・チェミンがいる。

 今月7日に放送された同ドラマの視聴率は、首都圏世帯平均13.1%、最高15.1%を、全国世帯平均12.7%、最高14.5%を記録し、再び自己最高視聴率を更新した。これは、全国4.9%だった初回より、2.5倍以上上がった数値だ。

 海外からの反応も関心を集める。グローバルOTTのNetflixを通じ、同時サービス中のtvN土日ドラマ「暴君のシェフ」は、放送直後42の地域でシリーズTOP10の1位を獲得し、93の地域でTOP10にランクインする成果を収め、K-コンテンツのグローバル競争力を改めて立証した。

 このような成功要因としては、いろいろ挙げられる。まず、Netflix「白と黒のスプーン〜料理階級戦争〜」のフードスタイリングチームとコラボして具現化した、精巧で派手な料理シーンが視聴者たちの没入度を引き上げた。また、“フレンチシェフが朝鮮時代に行く”というタイムスリップ設定は、グローバル視聴者たちになじみ深いながらも、魅力的なロマンチックファンタジージャンルの特性を効果的に活用した。ここに、時代劇の演出に精通したチャン・テユ監督の繊細なディレクティングが加わり、作品の完成度を高めたという評価だ。

 また、ジャンル的魅力を一層手助けする俳優の熱演も、成功要因に挙げられる。特に、「暴君のシェフ」は制作初期、男性主人公のプライベート問題によって、キャスティングに大きな難関を経験した。替わりとなる俳優探しやキャラクターの再確立が、短い時間内に成り立たなければならなかった難しい状況で、デビュー4年目であり、時代劇に初挑戦するイ・チェミンの合流は、当初不安要素と評価されたりした。しかし、彼は特有のエネルギーや説得力ある演技を通じて、憂慮を期待感へと転換させ、作品の中心軸に定着した。

 イ・チェミンが、キャラクターに完壁に溶け込んだのはもちろん、相手役のユナ(少女時代)との年上年下カップルを成して、ケミストリーもより生き返ったという反応が続いた。イ・ホンは炯々(けいけい)たる目つきと狂気で、周りをぶるぶる震わせる君主の威厳を持っているが、寂しい内面と母に絡んだ傷が明らかになる瞬間には、憐憫(れいびん)を呼び起こす人物だ。絶対味覚を持った彼は、ヨン・ジヨン(ユナ扮)が生まれて初めて見る料理を出すと、すぐに鮮やかな“モッパン”を繰り広げ、隙のあるキュートな容貌を見せたりする。そんなキャラクターの面々を、イ・チェミンはトーンから表情まで鏡餅のように消化したおかげで、この慣れているがときめくしかないロマンスが、さらに説得力を得ている。

 イ・チェミンは、多くの面で昨年のtvNドラマ「ソンジェ背負って走れ」 シンドロームの主人公だった、俳優ビョン・ウソクを思い出させる。代表的なのは、190cmに達する長身のフィジカルがそうだ。少年と大人の男性の間の魅力的な雰囲気と上半身露出シーンまで、無理なくこなす。別名“ドア男”(=高身長スタイル良い男性のこと)系譜をつなぐイ・チェミンのこのような外見は、ゴルリョンポや韓服を着なければならない時代劇で、さらに輝かしい。

 イ・チェミンは、演技以外にも乗馬や弓術、剣術練習はもちろん、処容舞(韓国宮中舞踊)まで直接学び、ドラマのために万全の準備をしたという裏話だ。当時、「ソンジェ背負って走れ」もやはり、制作まで丸3年がかかったほどキャスティングに苦心を繰り返したことが知られているが、ビョン・ウソクは作品のために歌なら歌、水泳なら水泳、すべて取得することで、“ソンジェ“そのものになり、多くの視聴者たちの没入度を誘った。このような事例は、試験台に乗っても、与えられた役割を果たすことさえすれば、視聴者たちは十分に彼に応じる姿勢を見せてくれる。今後は彼らではないソンジェ、イ・ホンは想像しにくい程度だ。

 ある芸能界関係者は、韓国メディアの取材に、「(イ・チェミンが)『暴君のシェフ』の主演に抜てきされる過程で、業界関係者だけでなく、世間の大きな関心と憂慮を全身に受けて、途方もないプレッシャーの中で作品に臨んだことが分かっている」とし、「フリープロダクション(制作事前準備)期間さえ、とても不足な状況で、切実さを武器に作品にしがみついて、現場でもイ・チェミンの努力と新鮮なエネルギーがチャン・テユ監督、ユナさんに会い、肯定的に作用したようだ」と評価した。

 続けて、「模範生タイプなので、今後さらに大きな成長を見せることができると思われる」と展望した。

 劇の中心を担うユナの老練な熱演まで、ひとつとなって格別になった「暴君のシェフ」は、ドラマ視聴者たちの食欲を十分に狙撃し、最近放送中のドラマの中で最高の話題を集めている。主演の交替リスクが、結局災いを転じて福となった「暴君のシェフ」。作品に出会い、一躍スターダムに上がった彼らのように、特急有望株として次世代ラブコメ男性主人公へと伸びていくか、イ・チェミンの歩みに動向が注目される。

 一方、「暴君のシェフ」は土日午後9時10分から韓国tvNで放送中。日本ではNetflixで配信。

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2025/09/09 20:09 配信
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