イ・ビョンホンがヴェネツィア国際映画祭で、自分が主演男優賞を受賞できなかったことを残念がったパク・チャヌク監督の反応に接した率直な心境を伝えて笑いを誘った。

イ・ビョンホンは映画「仕方ない」の公開を記念して24日午後、ソウル・チョンノ(鍾路)区にあるあるカフェでインタビューを行った。

この映画は、「すべてやり遂げた」と感じるほど順風満帆な人生を過ごしていた会社員マンス(イ・ビョンホン扮)が突然解雇され、妻と2人の子供を守るため、苦労して手に入れた家を守るため、再就職に向けた戦いの中で起こる話を描く。米国作家ドナルド・ウェストレイクの小説「THE AX」を映画化して注目されている。

主人公マンスを演じたイ・ビョンホンは、映画「JSA」「美しい夜、残酷な朝」以降21年ぶりに今回の映画でパク・チャヌク監督とタッグを組んだ。

「仕方ない」は、故キム・ギドク監督の「嘆きのピエタ」(2012)以降、13年ぶりに第82回ヴェネツィア国際映画祭競争部門に招待された韓国映画だ。ヴェネツィアでの上映会当時、外信がこぞって大絶賛、熱烈な観客反応、評論家スコア満点という驚異的な状況に受賞の期待が高まったが、実際、受賞は不発に終わった。パク・チャヌク監督は、前日のメディアインタビューで、作品が受賞できなかったことよりイ・ビョンホンの主演男優賞を望んでいた人間として残念だったと打ち明けていた。

これに対してイ・ビョンホンは「その話は、監督がヴェネツィアでも話していた。私は夢にも思っていなかったが、最初はただ、ご本人が賞を取りたかったから、私を引き合いに出してあのようにおっしゃっているのかと思った」と答えて笑いを誘った。

「なぜなら私は全く賞のことは考えてもいなかったから。でも、ずっとその話をなさるので、本気なのかなって気もした」と付け加えた。

「本当に主演男優賞を予想すらできなかったのか」という質問に彼は「正直言って、全く期待していなかったのが事実だ。マスコミと評論家たちの批評を掲載するサイトで、この作品を巡ってそんな話になったそうだ。わぁ、本当に何か起こりそうだというほど、ずっと雰囲気が良かった」と打ち明けた。

特に人工知能(AI)分析でも、自身がヴェネツィアの主演男優賞の有力候補に指摘されたという後日談を伝えて驚かせた。イ・ビョンホンは「私は、監督が主演男優賞の話をする時は『あぁまた言ってる』と思っていたが、映画祭のほぼ後半ごろに現場にいた人が『チャットGPTにヴェネツィアの主演男優賞を誰がもらうと思うかと聞いた』ら、GPTは3人の名前を上げ、その3人の中に私の名前があった」と明かした。

続けて「もちろんその時も賞を取る可能性があるとは思わなかった。それでもAIが選んだ3人の中に名前が入っただけでも気分が良かった。でもAIが何を知ってて、どういう基準でそんな話をしたのかは分からない。記事がたくさん出て、メディアが多い国が勝つのかとも思う」と冗談を言った。

また「冗談みたいに、ヴェネツィアでもそうだった。ヴェネツィアでもAIが3人ほど予測したと言ってたでしょ。それを見て、あぁ、他の2人を私はどうすればいいんだろう。だから一緒に行ったスタッフたちに双子を探してくれと言った。結果的にはAIのその予想も、評論家の記事も全部外れた。AIは完全に間違っていた。誰もその結果を当てられなかった」と皮肉って笑いを起こした。

「今後ヴェネツィア映画祭には出席しないのか」という質問に「私はそんなに小さい人間ではない。私は監督より少し器が大きい」と愉快な返事で雰囲気を和ませた。

映画「仕方ない」はヴェネツィアでは無冠に終わったが、今月初めに閉幕した第50回トロント国際映画祭では熱狂的反応を集めて、今年新設された国際観客賞の初受賞作となった。またイ・ビョンホンはトロント国際映画祭で、ことし韓国映画人の中で唯一、特別功労賞を受賞した。

「仕方ない」は本日(24日)に公開され、韓国の映画館で上映中だ。


映画「仕方ない」メイン予告編


2025/09/24 22:27 配信
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